ルビスコくんの日記

とある博士学生の日記です。

日常の彩り

自宅での引きこもり生活が始まってはや一ヶ月になろうとしています。相変わらず、こういう生活は僕にはそんなに苦ではないみたいです、というかやること山積みなので家にいようが大学にいようが切羽詰まった状況には変わりないっていうのが本当のところなんですけど。朝起きてPCに向かって文章を書いたり論文を読み調べ物をして、昼になったらジョギングして昼飯食べて、少し昼寝し、また研究活動をしている間に夜になる。ざっくり書くとこんな生活です。時間がすぎるのが速いし単調といえば単調かもしれない。ただ最近、この生活にちょっと楽しい出来事が起こっています。

 石川武蔵さんという、プロのピアニストの方がYouTubeでピアノのライブ配信をしているのを3週間ほど前に見つけてから、ほぼ毎日視聴しています。自宅のピアノ室にカメラと録音用マイクを置いたお手製のシステムで演奏を聞かせてくれます。ドビュッシーラヴェルなど、フランスの作曲家の曲を得意としているようで、バッハやモーツァルトベートーヴェンなどのいわゆる多くの人が想像するクラシックの音とは少し異なる、独特な響きを持った曲が多いです。

 当たり前ですが、生配信の魅力はそのライブ感です。僕が思うここでのライブ感は、同じ空間の音を直接聞けない代わりに映像を見て音楽を聞くことで、「今この音楽を共有している」という想像で出てくるものです(実際は数秒ほど差があるみたいですけど)。このライブ感があると、僕みたいに普段ほとんど「ながら聞き」しかしない人でもちゃんと音楽を聞くことに注意を向けるようになります。すると、今までながら聞きではわからなかった曲のよさがその場で何となく掴めるようになります。以前聞いて楽しめなかった曲でも、初めて聞く曲でも、すんなりと曲の中に入っていけるというか。特に、僕にとってフランスの作曲家の曲は全体的にふわふわとつかみどころがなく苦手に感じていたのですが、今ではそういう意識はあまりしなくなりました。僕は演奏の良し悪しはあまりわからないのですが、曲のよさに気づけるっていうのは彼の演奏の魅力に起因するのかもしれないなと思っています。

 曲の演奏間にしてくださるトークも、とても興味深いものがあります。僕の周りには音楽を生業にしている人はいませんから、ピアニストがどんなことを考えて弾いているのか、といったことは今まであまり知ることができなかったのですが、ライブ配信ではそういうことを少しずつ話してくれますし、気になっていることがあったらテキストでコメントすることもできます。ピアノのリサイタルでも曲の合間にピアニストがマイクを持って曲に対する想いなどを語ってくれますが、時間がかなり限られていますし、その場で質問・コメントなどはできません。そういう意味ではオンラインのライブの一番の利点はここにあるのかもしれません。おそらく彼もそういうのを意識しているはずです。デメリットとしては、YouTubeに上がっているほかの録音された演奏動画に比べるとどうしても音質が落ちるところでしょうか。まあ、こればかりは仕方ないです。とはいえ聞いていればあまり気にならないし、むしろ僕はこっちのほうが手作りな感じがしていい気がします。

 これから5Gが普及したら、例えば高音質のデータと映像をライブで遅延なしで配信できるようになるのでしょうか。コンサートの形もこれから変わっていくのかもしれませんね。もちろん従来の形がなくなることはないと思いますが。そんなことを思いました。

最後に、YouTubeのページとHPを貼っておきます。

2020/05/10現在、ほぼ毎日19:30からやってくださっています。おすすめです。

www.youtube.com

ピアニスト石川武蔵さんのホームページ:

www.musashi-ishikawa.com