ルビスコくんの日記

とある博士学生の日記です。

クラシック音楽を聴こう

僕には常日頃不思議に思っていることがある。それは「どうしてみんなクラシック音楽を聴かないのだろう」というものだ*1。もちろん、いくつか曲を聴いてみて趣味が合わなかったという人もいるだろうけど、多くの場合聴かず嫌いなんじゃないかと勝手に想像している。他人の反応を見ている限り、どうやらみんな、クラシック音楽のことを退屈なものと思っているらしい。世の中にはクラシック音楽の他にも楽しいことは山ほどあるから、聴かないならそれはそれでいいのだけれど、傲慢なことに僕は聴かなきゃ損だろと思っているので、クラシックは聴かないけど、ほんのちょっとなら聴いてもいいかも?という人たちのために、まずは「なぜ退屈と思われているのか」から考えたいと思う。

なぜクラシックは"退屈"なのか?

 クラシックといえば、タキシードを着た地味〜おじさんが指揮するオーケストラが眠たくなるようなメロディーを奏でてるのを想像する人も多い。

「私、友達がコーラスで出るっていうからクラシックのコンサートに行ったんだけど、すぐ寝ちゃってさ〜」

これからの季節、こんな話をする人が全国で急増するだろう。年末はなぜか知らないが全国のオケが第九(ベートーヴェンの第九交響曲のこと)をこぞって演奏することになっている。第九にはコーラス(合唱)がついていて、趣味で合唱をする人はそこに駆り出されることがあるのだ。第九といえば誰もが知っているあのメロディー(ミミファソソファミレ♪)有名だが、冒頭ではまったく出てこない。第1楽章はいきなりティンパニーが大暴れ、ドコドコー!と始まる。聴いたこともないメロディー。第2楽章になっても第3楽章になってもあのメロディーは出てこない。たとえ第2楽章まで持ちこたえても、第3楽章になるとすごーくゆったりとした曲調になって、だいたいここで眠りに落ちる。目を覚ますと第4楽章。おなじみの旋律で大いにに盛り上がり、終演。終わりよければすべてよしで帰路につく。

 もったいないなあと思う。なぜ第4楽章だけでなく1~3楽章も楽しめない人が多いのか。よくクラシック入門書には「それは形式を知らないからだ、一つの楽章にはソナタ形式という演奏の形式があって〜」みたいな話になるのだが、それはちょっとずれている。つまり、そんな知識よりも「聴いたことがない」という状態が退屈の一番の原因なのだ。クラシックに限らず、まったく知らないロックバンドのライブに行って楽しめるだろうか?大概の人は聴いたこともない曲ばかり演奏されても退屈してしまうだろう。

退屈でなくするには

 だから、クラシック音楽にほんの少しでも興味があるなら、事前に聴けばいいのだ。部屋の中で、洗い物やアイロン掛けの間にスマホで聴けばいい。何回か再生しているうちに、曲がどういうものかわかってくる。どこのフレーズがかっこいいとか、だんだん理解できるようになるはずだ。これは馴染みのあるポップスとかロックでも聞き方は同じで、みんな経験があると思う。異なるのは、大概歌詞がないのと、一曲(あるいは一つの楽章)の長さが長い、くらい。ポップスなどのアルバムはだいたい一枚4,50分で、クラシックの場合はひとつの交響曲で40分くらい(ただし作曲家などによって結構幅はある)。だからポップスのアルバム1枚だと思って聴けばいい。あるいは、上に第九の例を挙げといてなんだが、最初は演奏時間の長い交響曲よりもピアノ曲ショパンとかリストとか)の方が良いと思う。ショパンやリストの曲は聴いたことのあるものが多いし、旋律がとにかく美しいからすぐに好きになれる。

 クラシック音楽は、昔に比べて確実に身近になったと感じている。僕が高校生の頃は、インターネットは一応あるにはあったが今みたいに発達はしていなかった。僕はどうしていたかというと、NHKのFM放送か地上波の番組(N響アワーズ)、NHKBS放送で昼の時間にやっている室内楽コンサートを録音or録画したり、CDを買ったり、ツタヤで借りたりしていた。つまり、昔は自分から行動しないと手に入らなかったのだ。あまり興味のない人がわざわざ自分から馴染みのない音楽を聴くとはあまり思えない。でも今は違う。スマホ(もはやパソコンすらいらない!)でYouTubeのサイトに行って'Beethoven'と検索をかけるだけで山のように演奏音源が出てくる。それも中には世界の一流演奏家の演奏もたくさんある。AmazonPrime会員なら会員特典でAmazonMusicがついていてそちらもかなりの数の音源がある。本当にいい時代になった*2。『のだめカンタービレ』や『ピアノの森』などクラシック音楽を扱った漫画があるが、ああいうものを入り口にしてもいいと思う。上述の通り、作中で登場人物たちが演奏した曲は今はすぐに聴くことができる。ちょっと気になったら聴いてみたらいい。これだけ敷居が低く、しかも楽しいものに、とりあえず試さない手はないと思うのだが。

 

追記。ちなみに僕はクラシックヲタではありません。純粋にいろんな作曲家の音楽を聴くだけです。最近ようやく演奏家について好みが出てきましたので、その程度です。

*1僕がクラシックをよく聴くと言うと「あーやっぱりー(マジメでおカタそうだもんねー)」みたいな反応(そこまで露骨じゃなくても)をする人(なぜか女性に多い)はマジで嫌いです笑。

*2音楽を売る側からしたらどうなのかはわからないが、クラシック音楽の敷居は確実に低くなったので、クラシックを聴く母数は増えているんじゃないだろうか。