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ルビスコくん空を飛ぶ

博士学生(D1)の日記です.日記に加えてプログラミング(R)のメモ書きもします.

運動方程式

今日久しぶりに高校物理の参考書を読んだのだけど,運動方程式について少し思うところがあった.ニュートン運動方程式,書くまでもないが

ma = F

「質量mの物体に,Fの力がかかると,物体には受けた力に比例して加速度aが生じる」というちょーシンプルで有名な法則.でもよくよく考えてみるとこれってなんで成り立つのかよくわからないよなって今日参考書読みながら思った.もちろん感覚としては理解できる.強い力でものを押すと勢い良く動き出すし,逆にそっと静かに押すと物体もゆっくりしか動かない.でもなぜそうならなければいけないのかって,もうわからなくない?

そもそも僕は致命的な勘違いをしていた.結局この式は数学のように公理から順を追って論理を進めた末に成り立つものではなくて,「根本的になぜそうなるかは分からないが実験から得られた法則」なのだ.でもそうだとすると,この関係が成り立たない場合があるかもしれない.もしかしたら今僕が手元にあるマウスを放り投げても,上の法則は成り立たないかもしれない(もちろんそんなことは絶対にない).実際,例えば量子力学など,運動方程式が成り立たない系は存在する.その場合は,運動方程式の代わりになる根本的な法則を再び実験によって見つける必要がある.「実験から普遍的な法則を見つける」のが物理なのだ.

僕が面白いと思ったのは根本原理がわかっていない現象を根拠にしてあらゆるもの(学問体系やそれをもとにしたすべての技術)をつくってしまっていることだ.生物にしても同じようなことが言える.生命の起源はまだ謎に包まれている(まだというのは語弊があって,厳密には38億年前にタイムスリップするしか確かめる方法はないという意味では検証不可能なのだけど)が,現に生物は誕生して今地球上で生きている.結局僕らを取り巻いている世界の一番の根っこはわかっていないし,そもそも僕ら自身のこともわからないんだな.